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家族信託 解決事例

金銭贈与

金銭贈与信託(孫や子などへの贈与)

状況

相談者 Aさん 48歳男性 (家族 母81歳)

Aさんの母のBさんは現在81歳。以前は元気だったが、80歳になってからは身体の衰えが目立ってきました。また物忘れもかなり多くなってきています。
Bさんは孫のDさん(16歳)を大変可愛がっており、将来の教育資金としてDさんに毎年110万円の暦年贈与をしており自分が認知症になっても贈与を続けていきたいと考えています。

金銭贈与信託 図1

問題点

贈与は契約であり、贈与をするには有効な意思表示ができて判断能力があることが必要です。
Bさんが認知症になると、孫のための贈与が一切出来なくなってしまいます。

問題の解決


家族信託を活用した場合

Bさんを委託者兼受託者、当初の受益者をBさんと孫のDさんとする家族信託を設定します。さらにBさんが認知症となって成年後見が開始した後の受託者をAさんとしておきます。そして、預貯金(金銭)を信託財産とします。
家族信託契約書の中で、条件を満たした場合には信託をした金銭の中から孫に教育資金贈与をすることができるとの定めを置きます。
このように家族信託で定めておけば、本人(Bさん)が元気なうちは、自分の判断で贈与し、Bさんが認知症になっても後任の受託者のAさんの判断で生前贈与を継続することが出来ます。また、Bさんに成年後見人が選任されても、信託財産には成年後見人の管理が及ばないことから同様に生前贈与を続けることが出来ます。
ただし、家族信託契約書の規定の仕方については、贈与税が一括して課税されないように慎重に規定を定めることが必要となります。

金銭贈与信託 図2